金曜夜10時すぎ、長野のビジネスホテル。廊下越しに同僚の田中さんがフロントへ電話している声が聞こえた。「トイレの換気扇の中に……カメラらしきものが……」
翌朝、警察が来た。証拠品として換気扇のユニットが外された。それが4ヶ月前の出来事だ。
それ以来、私のチェックインは変わった。スーツケースを床に下ろす前に、まずトイレへ入る。換気扇の格子、鏡の縁、シャワーヘッドの付け根、タオル掛けの裏。15分かけて部屋全体を確認してから、初めてスーツケースを開ける。
——トイレ盗撮とは、浴室・トイレ・更衣室など非公開の場所に無断設置された隠しカメラによる撮影行為を指す。2023年7月施行の性的姿態等撮影罪(性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び被害者の保護等に関する法律)では、こうした違法撮影に最大3年の懲役または300万円以下の罰金が科される。——
この記事は、同じ状況に直面した・あるいは「自分もかもしれない」と思い始めた方に向けて、防犯専門家が出張族の34歳女性(法人営業・年間出張50泊以上)にインタビューした内容をまとめたものです。
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目次
換気扇の格子の中に「それ」があった夜
― 同僚から話を聞いた瞬間、最初に何を思いましたか?
「自分も危なかった」と確信した。その長野のホテル、半年前に私も泊まっていた。同じフロア、たぶん隣の部屋。
それまでも試着室や銭湯は多少気をつけていたけど、出張先のビジネスホテルは「仕事で使う場所」という感覚で、ほとんど無防備だった。あの夜以来、その感覚は完全に消えた。
― 田中さんはどこで気づいたんですか?
換気扇の格子から赤いLEDらしき光が漏れていた、と。消灯して電気を全部消したときに気づいたらしい。小型カメラの赤外線LEDは暗所でスマホのフロントカメラ越しに見ると肉眼より明瞭に映る。その話を聞いて、私もすぐに試した。
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なぜ「目視だけ」では足りないのか
― チェックイン後の目視確認、実際に何か見つけたことはありますか?
まだ本物のカメラには出会っていない。でもだからこそ怖い。「見つかっていない=存在しない」ではないから。
防犯コンサルタントの橘さん(元警察官)に確認したことがある。「ピンホールカメラの直径は1〜2mm。塗装の傷や壁の凹みと見分けがつかない場合がほとんど。素人の目視では発見率は高くない」と言われた。
― では実際に有効な発見方法は何ですか?
結論:3つの方法を組み合わせる。
① RF(電波)スキャン:電波送信型カメラに反応する。無料アプリ「Wifi Analyzer」などで見知らぬSSIDが出ていないか確認する。ただしローカル録画専用モデルには効かない。
② レンズ反射確認:部屋を暗くしてスマホのライトをゆっくり動かす。カメラレンズは青白く光る。鏡やガラスとは反射の色が違う。
③ 赤外線確認:ナイトビジョン搭載カメラは暗所でIRが光る。スマホのフロントカメラ(インカメラ)越しに見ると赤〜白の光として見える場合がある。
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「発見」より「先手」——自室に証人を置く発想
ここで一度整理する。トイレや浴室の隠しカメラを素人が完全に発見するのは難しい。だから「発見できた安心」より「記録が残っている安心」を重ねる方が現実的だ。自分のカメラを自室に置き、出入りを記録する。何かあったとき証拠を持っているのは自分だという状態を作る。この発想が今の私の基本になっている。
― 具体的に何を使っていますか?
出張の荷物に常備しているのがスパイダーズX PRO 4K UT-124W Angel Eye(¥49,800)。理由は3つ。
4K画質だから顔がはっきり映る。仮に部屋に誰か入ってきても、4Kなら表情の細部まで記録できる(実際に会議室で2週間使用した経験から、画質の精細さは段違いだった)。動体検知録画だから映像が膨らまない。出かけている間、何かが動いたときだけ録画する。コンパクトでポーチに入る。出張のカバンにそのまま入れて持ち歩ける。
ドア正面を向くようにテレビ台か棚の上に置いて外出する。帰ったら最初にその映像を確認する。これが今のルーティンだ。
¥49,800 ÷ 年50泊 = 1泊あたり996円。この金額で精神的な安定が一段上がるなら、出張経費の中でも優先度は高い。
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デスク方向も「記録」する:コンセント型との2台体制
― UT-124Wだけでは不十分なシーンがあるんですか?
ドア向きに1台置くと、デスクまわりが死角になる。荷物を置く場所が死角に入るのが気になって、もう1台追加した。
今使っているサブがスパイダーズX コンセント型カメラ(¥29,800)。コンセントに差すだけで電源供給が続くから、充電切れの心配がない。24時間連続録画対応で、出張中ずっとデスク方向を記録できる。ホテルの部屋で「コンセントに何か刺さっている」状態でも、誰も気にしない。
この2台体制——UT-124Wをドア向き、コンセント型をデスク向き——にしてから、チェックインの不安感は体感で半分以下になった。記録が残っているという事実が、精神を安定させる。
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自宅のトイレが気になり始めたら
― ホテル以外でもトイレや浴室を気にしますか?
正直に言うと、自宅でも油断できなくなった。ドアの鍵を変えた引越し前のアパートに不審な点があって、管理会社に問い合わせたことがある。「問題ない」と言われたが、確認する手段を自分で持っていなかった。
― 自宅での確認はどうしていますか?
今は観葉植物型カモフラージュカメラ CK-016B(¥24,800)をリビングと洗面所の境目に置いている。観葉植物に見えるから、部屋に来た人が不審に思わない。1080P画質、Wi-Fiリモート視聴対応で、外出先からスマホで映像をリアルタイム確認できる。
自宅に不審な人物が入り込んでいないか、宅配や業者が入った際に何かされていないか——そういった確認に使っている。逆説的だが、「自分で設置した自分のカメラ」があることで、「見知らぬ誰かのカメラ」への恐怖が薄まる。
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試着室・銭湯・ネカフェ——「持ち込めない場所」の対処
― 自分でカメラを設置できない場所(試着室・更衣室・銭湯)ではどうしていますか?
結論:目視チェック+スマホのWi-Fiスキャン+レンズ反射確認の3点セットのみ。
自分でカメラを置けない場所では持ち込める機材で確認するしかない。具体的なチェックポイントは以下:
携帯の充電バッグやポーチを置く位置は、壁側・見通しが悪い方向を意識的に選ぶ。これは消極的な対処だが、ゼロよりマシだ。
出張カバンのサブポケットに常備しているのがティッシュ箱型カモフラージュカメラ CK-017B(¥19,800)。ホテルのテレビ台や洗面台の横にそのまま置ける。動体検知Wi-Fi録画対応で、出かけている間の部屋の変化を記録できる。「自分が戻ったとき、部屋が出発時と同じ状態か」を確認する目的で使っている。
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もし本物のカメラを見つけてしまったら
― 発見した場合、その場でどう動くべきですか?
絶対に触らない。そしてすぐ記録する。
橘さんから教わった手順をそのまま共有する:
① 触れない:指紋を残さない。機器の向きを変えない。配線を引き抜かない。
② 現状を記録する:スマホで複数アングルから写真・動画を撮る。タイムスタンプ付きで保存する。
③ 施設管理者に報告する前に警察へ連絡(110番):先にフロントや施設に伝えると、機器が「故障品」として処理されるリスクがある。実際の判例でもこのパターンで証拠が失われたケースが報告されている。警察が現場を確認するまで、部屋を変えない・物を動かさないことが最優先。
2023年施行の性的姿態等撮影罪により、こうした被害の被害届を出した場合、警察が動けるケースは以前より明確に増えている。「証拠がないと動けない」と言われた時代とは、法律的な状況が変わっている。
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出張50泊を経て、今これだけは言える
4ヶ月前の長野のあの夜以来、出張のたびに感じる「自分も被害者になりうる」という意識は薄れていない。むしろ習慣になった分、冷静に行動できるようになっている。
トイレ盗撮の「おすすめ対策」を一言で言うなら:発見に頼るより、自分が「証人」を持つ方が強い。
今日から始めるなら、まずスパイダーズX PRO 4K UT-124W(4K画質/動体検知/¥49,800)を1台。出張先のホテルのドア向きに置くだけで、入退室の記録が残る。それだけで出張の安心感は段違いに変わる。次のチェックインが来る前に、手元に置いておく価値はある。
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※撮影は関連法令を遵守の上、ご利用ください。登場人物・団体は全て架空です。


