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土曜日22時、夫のスマホが静かになった夜
10月の最初の土曜日、夫が帰ってきたのは22時を過ぎていた。
「接待だった」という言葉は、もう我が家のルーティンになっていた。子どもたちは8時前に寝かせていて、リビングには夫と私だけ。夫はソファに深く腰を沈め、スマホを縦に持ったまま何かをゆっくりスクロールしていた。
そのとき、短い通知音が鳴った。夫の指が一瞬止まった。画面を伏せた。その動作がいつもより0.5秒速かった。
気のせいかもしれない。気のせいであってほしかった。でも私の中で何かが変わった夜だった。カーテンの隙間から見える外の電灯が、やたらと白く見えた。
11月に入ると、夫のLINEのロック画面が変わっていた。以前は子どもたちが公園で遊んでいる写真。今は黒無地。「見ないでほしい」というメッセージを、背景色で表現する人が世の中にいることを、そのとき初めて知った。
「週末ゴルフ、またキャディなしのコースだったの?」
2回連続だった。広告代理店で管理職をやっている夫が、取引先への接待にわざわざキャディのいないセルフプレーコースを選ぶ。計算が合わない。接待なら会社の経費だ。なぜセルフなのか。
私は38歳の専業主婦で、夫の仕事の詳細には干渉してこなかった。でも計算くらいはできる。
疑いが「確信の準備」に変わるまで
夫を問い詰めることは選択肢から外した。問い詰めて「そんなことない」と言われたら、私は「疑っていた妻」として終わる。仮に認めたとしても、次にどうするか。子どもが2人いる。感情で動いて手ぶらで戦うのは最悪の手だ。
私が必要としていたのは「確認」ではなく「証拠」だった。
スマホを覗くのは一瞬でバレる。尾行は現実的でない。専業主婦の私には時間はあっても機動力がない。外で何をしているかは確認できない。でも、家の中で起きることは記録できる。
最初の試みは、スマホの録音アプリをリビングに置くことだった。音声さえ拾えればいいと思っていた。甘かった。帰宅した夫が「このスマホ、ここに置いたっけ?」と言った。その瞬間に録音は止まっていた。
次に試みたのは内側カメラを使った簡易監視アプリ。充電中のスマホをテレビ横の棚に置いて録画を設定した。朝、映像を確認しようとすると4時間で電池が切れていた。証拠どころか、機器の運用すら成立していなかった。
この2回の失敗で、「ちゃんとした機材を使わないと意味がない」という結論に辿り着いた。
GX-105という選択
友人にはとても言えなかった。検索した。「家庭内 隠しカメラ おすすめ」という言葉を打ち込んだとき、少しだけ手が震えた。自分がこういう言葉を検索する日が来るとは、結婚した12年前は想像もしていなかった。
調べるほど、「専用機材を使わないと証拠として機能しない」という現実が見えてきた。
たどり着いたのが GX-105(¥89,800)だった。
スペックを見て、まず数字が目に入った。180日待機。
充電切れで証拠を逃した経験が体に刻まれていた。180日間、電池交換なしで動き続ける機材。夫が「その機械、なに?」と気づかない場所に置いて、あとは待つだけでいい。
4K画質も確認した。リビングのテレビ画面に映したとき、画像が粗くて証拠として使えなかったという話をネットで複数見ていた。弁護士が「使える」と判断するには、顔の確認と状況の把握ができる解像度が必要。4Kはその要件を満たす。
赤外線撮影の性能も重要だった。夫がスマホを操作するのはいつも、私が寝室に入ったあとだと気づいていた。電気を消した暗いリビング。そこでも赤外線でしっかり映る。仕様書に書いてある「暗所対応」ではなく、実際の夜間映像サンプルを確認して、これなら使えると判断した。
89,800円という価格は、正直迷った。でも弁護士に相談するとき「証拠があるかどうか」で着手金から全く変わると知ったのは後からだった。証拠があれば交渉力が変わる。この一台で得られるものを考えれば、高くはなかった。
観葉植物の葉の陰に
GX-105の置き場所は、リビングの本棚横にある大きなフィカス・ウンベラータの鉢の隣にした。観葉植物との親和性が高く、「棚の上にある物体」として視覚的に消える場所を選んだ。
ただ、リビングだけでは不安があった。夫が電話をすることが増えたと感じていた場所が廊下にあった。リビングと書斎の間の、誰にも声が届かない位置。そこには追加で 観葉植物型 CK-016B(¥24,800)を置いた。
この機種を選んだのは外観と機能のバランスだ。本物の観葉植物の鉢植えに見える外観は、家に植物が多い我が家には自然に溶け込む。1080P画質とWiFiでスマホからリアルタイム視聴ができるため、子どもの送迎中でも、スーパーのレジに並びながらでも廊下の様子を確認できる。
設置した夜、アプリから映像を確認してみた。廊下の蛍光灯の光が自然に映り込んで、「これは誰が見ても観葉植物にしか見えない」と思った。内蔵32GBで録画データが自動保存され、動体検知で必要な場面だけ通知が来る。待機している間、私は普通の主婦として普通の一日を過ごせた。
映像が届いた朝
設置から2週間後の火曜日の朝。
子どもたちを学校と保育園に送り出して、スマホのアプリを開いた。前夜22時から今朝6時までの録画ファイルが保存されていた。
動体検知が22時37分に反応していた。
再生する前に、深呼吸をした。キッチンの窓から外を見た。近所の人が犬の散歩をしていた。世界は普通に動いていた。
再生した。
夫がリビングに戻ってきた。電気を消した状態で、スマホの画面の明かりだけが動いていた。22時37分から23時09分まで、32分間。声は出ていない。ただ指が動き続けていた。
4K映像の精度は想定以上だった。顔の向き、表情の変化、指の動き。スマホの画面の文字までは読めないが、それは必要なかった。誰と、何のために、この時間にスマホと向き合っているかを問う材料として、この映像は十分だった。
翌朝、弁護士事務所に電話した。初回相談のアポを取った。
ティッシュ箱型と充電器が担った「書斎の記録」
弁護士から「書斎の状況も記録できますか」と言われた。
夫が仕事の書類を理由に書斎に籠もる時間が増えていた。GX-105はリビングに固定していたので動かせない。CK-016Bは廊下で稼働中。追加の機材が必要だった。
ティッシュ箱型 CK-017B(¥19,800)を書斎のデスク脇に置いた。
ティッシュ箱は場所を変えても不自然ではない。書斎に一つあれば「使うから置いてある」だけだ。1080P画質、動体検知、WiFi接続でリアルタイムでスマホから確認できる。補助カメラとしての価格と性能のバランスが良く、GX-105との組み合わせで家全体の「視点」が揃った。
もう一つ、モバイルバッテリー型 CK-MB01(¥15,800)は持ち運び用途を想定して購入した。実際に充電可能なモバイルバッテリーとして機能するため、置いても持ち歩いても「充電器がある」という自然な状態を作れる。夫が出張から帰って荷ほどきをする場所に置いておいたとき、一切不審がられなかった。1080P画質で長時間録画に対応しており、場所を固定しない分、状況に合わせた使い方ができた。
この2台の追加で、リビング・廊下・書斎の三点を同時に記録できる体制が整った。家全体が「視野」に収まった感覚だった。
証拠が先、感情はあとから
弁護士に映像を提示したとき、最初に言われたのは「これは使えます」だった。
その5文字が、3ヶ月間の不安のすべてを整理してくれた気がした。泣くかと思ったが、泣かなかった。むしろ、ようやく地面に立てた感覚だった。
弁護士費用も、協議の進め方も、「証拠がある状態」と「疑いだけの状態」では出発点から違う。感情だけで動いていたら、私は今頃、何も持たないまま「疑っていただけ」で終わっていたかもしれない。
今、同じ状況でこの記事を読んでいるなら、はっきり言う。
疑いが生まれた瞬間に、機材を揃えることを先に決める。
感情の整理は後でできる。疑惑が高まってから慌てて準備すると、相手の行動パターンが変わってから機材が届く最悪のタイミングを踏む。私がそれを経験した。最初の2回の失敗がなければ、証拠取得は2週間早かった。
状況が長期戦になると予想するなら、GX-105の180日待機は最適解だ。充電の心配をせず置きっぱなしにできる安心感は、想像以上に大きい。89,800円は、弁護士に「使える証拠」を持ち込む権利を買う費用だと考えれば、回収できる数字だ。
設置場所が複数必要なら、CK-016B(観葉植物型)かCK-017B(ティッシュ箱型)で補う。それぞれの場所に溶け込む外観で視点を増やす。持ち運びが必要な局面はCK-MB01で対応できる。4台の組み合わせで、家の中に死角はなくなる。
この記事を読んだ今日が、行動する日だ。
※撮影は関連法令を遵守の上、ご利用ください。登場人物・団体は全て架空です。


